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      🟡備長炭のお話
炭は、黒炭、白炭に分けられ、高温を発する原木備長炭は高級炭とされる白炭に属します
そもそも備長炭の備長とは炭の種類を言うのではなく、製法の名称です。
そして人の名前です。
昔、紀州山(和歌山)に備中屋長左衛門という商人がいました。
「もっと高温で火持ちのいい炭ができないものか」と日々研究を重ねておりました。
そして炭が焼き上がる直前、炭釜の扉を開け、一瞬空気を送り込む事によって火力を強くし、
炭をギュッと焼き締め、硬くて火力の強い炭を作ることに成功したのです。 
紀州備長炭の誕生です。
この炭に備長さん(備中屋長左衛門さん)の名前がついたのです。
当店では原木備長炭を全面敷き詰めて使用してます その為ちょっと、いや、かなり熱いです。
オガ屑を固め電気で焼いた加工炭では火力と炭の香りに大きな違いがあり、
火力を要する川魚や炭の香りを食材に入れたい蟹などの繊細な食材、
香りに癖のあるラムやジビエ、鰻などは特に味に差が出てしまいます
近年、値段の高騰と扱いの難しさから、本物の原木備長炭を使うお店もほとんど無くなってきました。
しかし、あくまで本物の原木備長炭にこだわり続けたいと思っています。
⭕️原木備長炭が熱いとおっしゃるお客さんには、事前に言っていただければ、加工炭をご用意できます
  火力は半分以下になりますので、次回予約時、御遠慮なくお申し出下さい

     🔴炭の香りについてのお話
炭は無臭と言われていますが、炭窯で人の手で焼かれた炭は、完全燃焼させてないので、
炭に含まれるミネラルの影響が、燃焼時独特な木の香りを食材に移りこませ、
ガスや電気では作る事ができない、独特の風味を作り上げてくれます。
  
   🟢いろりの灰のお話
いろりの中は炭が燃えた灰が敷き詰めてあります。灰には浄化作用の力があり、
いろりの中を清潔に保ってくれてます。いろりを作ったものの、灰の入手が出来ず、
いろりに砂を敷いてしまう人がみえますが、砂は微生物を生息させますので、
いろりを清潔に保つ事が出来なくなってしまいます、
例えばアリも砂の中でも生息出来ますが灰の中では無理なのです
原木が炭になると三分の一の大きさになってしまいます、更に炭が燃えて
として残るのはわずか3%と言われています
貴重な備長炭の灰は、店で使う器を、陶房焼く時の釉薬として使用しております
     
   🔴器のお話
1995年池下に炭焼きの店紅を開店 その6年後
2001年日泰寺近くに陶房『碧』を作りました
店の陶房は、千種区覚王山の北の方、小高い丘の上に窯があります
炭兆で使われる器のほとんどがここで焼かれています
 
買った器に盛り付けるのではなく、作った器に盛り付けたい
そんな気持ちは、紅、開店当時からありましたが、今では作った器で提供
させて頂く事は当たり前の様な事にも思えてきます
 
20年程昔、陶房碧で開催していた、陶芸とお食事の会も一つの提案でした
 小さな店ですが、
 入り口は小さくても奥が深い店
 そんな形になれればいいなと考えていました
     
紅は10センチ角の小さな表札だけが、表にポツンとにあるだけの店でしたが、
どこで聞いてみえたのか、手作りの器という事で、
多くの有名な陶芸家の方々にもお見えになって頂き、知り合う事ができ、
お話させていただく事ができました。
最初は、瀬戸に住む、陶芸家である23歳と30前後の若い二人の女性に 下絵を描いて、器を注文、
作ってもらっていましたが、しばらくして、陶房を持つ事が出来ました。
先生もおらず、試行錯誤でねんどをこね、ろくろを回し、窯で焼いてました。
サザエにはサザエの器、魚には魚の器を、
アイスクリーム用、サラダにはサラダ用と本店紅にはカウンターがありましたので、
色々な形の器を使うことができました。
現在の魚の取り皿も改良していて4代目の形です。
 
陶房があるので、時間のある時に、すぐ、ねんどにさわる事ができる贅沢な環境であります。
器の下絵を描いては、休みの日に、せっせと瀬戸に通っていたあの頃が、いつの間にか、
懐かしい思い出となりました。
       
 
     🟠おもしろい お話
電気の無い昔 夜、囲炉裏灯に家族が集まりました。
友達や親戚が訪ねてくれば皆で囲炉裏を囲み、
皆の笑い顔が囲炉裏の灯りで白く輝き、面(おも)が白くなりました。
これが「おもしろい」の語源といわれています。
若い人は知らないかもしれませんが、面(おも)とは顔の事を言います。
ほら、面長(おもなが)とか言うでしょ!
            
            野仏もおいしいって言ってるよ
              ご馳走はご褒美だって
               炭の灯りに
           みんなの笑顔が、面白いって
             そんな優しさが
               ここにはあるね
 
     この店でいい笑顔になっていただければ、とてもとっても 嬉しい事です 
 
     🔴当店で使っている、スリランカの塩のお話 
スリランカの最南端、ハンバンドータの海岸 満月の日
インド洋から海水が、月の引力により、広大な塩田に引き込まれる。
赤道直下の太陽の日差しと海風の力によって塩の結晶化がはじまる。
次の満月の日、自然の力によって作られた塩は、人の手で大切に集められ、
7ミリ程になった結晶をすり潰す。
海水を煮詰めつた塩ではない、
山から掘った岩塩でもない、
人が塩田に海水をまいてつくる塩でもない、
海岸で満月から満月の間を要し、自然の力でつくられる神秘の塩。
世界でも珍しい天然海塩です。
満月から満月の間ほんの少しの雨が降ってしまうだけで、その週の塩は作る事が出来ません。
大量生産はおろか、安定供給する事も出来ない貴重なお塩です。
死海、沖縄、南米でも、天然海塩が少しとれると聞いています。
お食事に入られる前、ちょっとなめてみて下さい、まろやかな口当たりです。
食材に付けると付けすぎてしまうので、指でつまんでかけて下さい、
素材本来の味を、最大限に引き出します。
ハンバンドータの塩は、自然の力で作られた、神秘の塩です。 
   
    🔵きりたんぽのお話
きりたんぽは、お米です、もち米ではありません
一般にはお鍋に入れますが、本来はお鍋に入れるものではありません、
東北のマタギ(又鬼)と呼ばれる猟師さんの食べ物だったのです。
山に入ったマタギは猟をするため、幾つもの山小屋を転々と旅します。
囲炉裏でご飯を炊き、残ったご飯を木の枝に握りつけ、
雪の中に突っ込んで保存し、次に来た猟師さんがそれを掘り出して、
囲炉裏で焼き、味噌だけつけて食べた、味噌たんぽと言われています。
味噌もめったに腐るものではなく、
山小家にいつも置かれていた保存食料だったのです。
昔の人は一握りの残り物も粗末に捨てたりせず保存したのです。
日本初の冷凍食品だったのかもしれません(ただ、この説はマタギの子孫により、
当時、貧しい暮らしで、米は食べていなかったと否定されてます)
当店では胡麻醤油で召し上がって頂きます(本店紅ではカレー味です)
表面に焼きを入れ、胡麻醤油を塗って、最後は網の上でお餅を焼く要領で焼いて、
表面を乾かしお召し上がり下さい。 白胡麻、黒胡麻、くるみ、カシューナッツの入った
自家製胡麻醤油です。 
ハケで胡麻醤油の中の木の実をすくって塗って下さい。 
江戸時代、侍の妻たちが薙刀(なぎなた)稽古をする時、怪我をしないように、
槍先に白い布を巻いて練習しました。 
その槍を「たんぽ槍」といい、きりたんぽの語源は、形が似ていることからきています。
後に、たんぽを切って鍋に入れるようになり、切って入れるからきりたんぽ。
切る前の正式名称は「たんぽ」です。
もう一つ、又鬼(マタギ)と呼ばれる猟師さんのお話。
狩りをして、獣を殺生する度「又、殺生してしまった 又、鬼になってしまった」
と思う気持ちからきていると言われています。
 
    🟢台湾茶のお話
台北 新純香のお茶を取り寄せて入れてます。たまに、新純香さんに相談に行き、
茶葉を決め送ってもらってます。高級な茶葉です。
着色料は一切使用してませんのでウーロン茶は綺麗なお茶の香りが楽しめます。
もともと中国はウーロン茶の世界では無く、香りのあるジャスミン茶等の文化であって、
烏龍茶に関しましては、台湾が本場です。
等級は中級クラスのものを仕入れるようにしています。
(台湾茶は炭兆と遥で飲みのご提供となっております)
   
    🟡季節の魚のお話
1時間前に料理予約して頂くことで、おみえになる前から焼き始めます。
長時間炙り焼くと原木備長炭の強い遠赤効果で骨も頭もカリカリと美味しく食べる事ができます。
又、原木備長炭で長時間焼きしめると鮎の骨抜きは出来なくなります。
食べ方は自由ですが、通の食べ方としては、串を抜かず、まず、背中をガブリ。
背脂がどの様にのっているかを確かめます。
背脂がのってないない場合はあまり栄養不足、ありすぎると運動不足の魚?
季節により、夏6月下旬~8月は鮎、秋口は山女、冬は岩魚を予定してます。
たまに冬に鮎の注文がありますが、冬に鮎を出すお店って????です。
頭がお菓子のようにパリパリと食べれるのは、原木備長炭でしっかり焼いた時だけです。
 
    🟤しいたけの焼き方のお話
しいたけを焼くのはちょっと面白いですよ
傘を逆さまにした形(ひだひだを上にして)で片面だけを網の端、
弱火の場所で焼きます。
あらかじめスリランカの塩が傘の内側にふってありますので、
その塩が、しいたけの中にある水分を傘の中から外にひっぱりだしてくれます。
その水分を貯め、鍋のようにしてジックリ焼きます、
一瞬といえど、ひっくり返さないようにして下さい。
水分と香りがぬけて美味しくなくなってしまいます。
お酒や醤油を使うのもしいたけの風味を損なってしまうような気がするので、塩だけがよろしいかと
思います。
しいたけの傘の中の水を「しいたけの涙」と呼ぶ人もいます。
 
    🔴車海老
沖縄、熊本、愛知知多半島産の本車海老のみ使用してます。
備長炭で少し焦げ目がつくまで焼いて、頭からまるかじりして下さい。
備長炭で焼くことで海老の皮がパリパリになって、
えび煎餅で包まれた、海老の塩焼きを食べることが出来ます。
そのため少し小ぶりのまき海老を使ってます。
まき海老とは海老のサイズの事です、もう少し小さい物は細まき海老といい、高級中華で使われます
海老の頭がとっても美味しいので、頭から丸かじりして下さい。頭がホントに美味しいです。
    
    🟣牛トロ焼きしゃぶ
紅の焼きしゃぶは、以前は牛刺しとしてお出ししていたものです。
醤油がかけてあるので、さっと炙ってそのままお召し上がり下さい。
焼き過ぎますと油の味だけが全面に出てしまい美味しくありません。
とても上質な部位ですので薬味は必要ありません。
黒毛和牛という素材本来の味を楽しむ事が出来る、自信の一品です。
(炭兆でのみのご提供となります)
    
     🟡ミルクラム 
生後3ヶ月位までの生後間もない仔羊をミルクラム と呼んでます。
牧草を食べ始めると肉質が変わりマトンと呼ばれ独特の臭みが出てきます。
ラムはその人の食生活のバロメーターの様な気がします。
肉好きにはたまらない逸品。
美味しいものと、そうでないものの差がはっきりしている食材です。
ニュージーランドから航空便で送られる生の仔羊を、
自家菜園のローズマリーをオリーブオイルで漬け込みます。
生後3ヶ月以内の羊はお乳だけで育っておりラムの中でも、「ミルクラム」と呼んで、
本当に柔らかく美味しいのです。
当店では最高級ミルクラムのみを使用してます。
原木備長炭とオリーブオイルの香りが入り込んだお勧めの一品です。
     
     🔵食材の事
伊勢海老は鳥羽、伊豆。三河のうずら、青森から真鴨を、北海道から鹿、
釧路のシシャモ、長野からは高原コーチン、島根からノドグロ、山口のふぐ等
食材を直送してます
ジビエなどは、独特の香りの中に炭の香りが真まで入り込みます
うずらは遠赤の力により骨まで全部食べれる様になるし
イベリコ豚は炭焼すると、どんぐりの木の実の味まで感じ取ることが
出来る時もあります(現在は紀州産の猪を焼いております)
ジビエやウナギ等は原木備長炭、もしくは、薪で焼かなければ、
意味が無いとまで思っています、油を焼き切り、そこに木の香りを入れ込ませます。
ご自宅の冷蔵庫にある、ふだん食べている物ばかり選択して、
新しい出会いがなくなり食の世界が広がっていかないのは少し寂しい話です
冒険する事こそ外食の醍醐味かもしれません。
今日、始めてお口にする物は、お有りでしょうか?
いつもと違うお飲み物との組み合わせは、いかがでしょうか?
    
     🟢黒毛和牛のお話
当店では三重牛の国産黒毛和牛を使用しております。
部位は主にカイノミを使っています。
室温に戻されてからさっと炙り太陽と風の力で結晶化された当店自慢の
スリランカ自然海塩でお召し上がり下さい。
選りすぐりの素材にはたれなどつけず焼く、そのものズバリの味を味わいたいものです
たくさん焼くと煙るので少しづつ網の端の所、鉄板の脇でお焼き下さい。
  簡単な表示の説明です
国産黒毛和牛  黒毛和牛という種の牛を日本で育てたもの
黒毛和牛    黒毛和牛ですが海外で育てられた牛もいます
和牛      一般に茶色の種の牛ですが黒毛和牛も含まれます
          日本にいる固有種黒毛和種
          1黒毛和種
          2褐毛和種
          3日本短角種
          4無角和種
          5上記4種の交配によって産まれた交雑種
          日本に昔からいる和種 (品種を言います)
          海外で育てられても和牛表示されます
国産牛  外国のホルスタイン、ニュージャージー、オージー、
     アンガス牛も一定期間、日本で育てられれば国産牛表示されます 
 
   どんなに高級なお肉でも、原木備長炭で焼いた味には敵わない
 
       🔴手羽先炙り焼
遠火で炙り焼、1時間位でいい感じになります
なるべく焦げ目をつけないよう少しづつ焼きが入るよう焼きたいのですが
備長炭の火加減はなかなか思うようになりません
北京ダックの表皮の様、焦げ目が殆ど無くパリパリの黄金色に焼きあがったら完璧なのですが!
予約で、お客さんのお見えになるかなり前から1時間以上、
原木備長炭でじっくり時間をかけて炙り焼く、世界で一番贅沢?な手羽先です
 
       🟢和牛、コーチン等の『炭火』でのおいしい焼き方
原木備長炭は一般の炭にくらべ、火力がかなり強いので
お肉だけを焼き網の真ん中に置くと、油が中心に落ちて煙が舞い、強くなります、
なるべく野菜と一緒に載せて下さい。
野菜は真ん中で、お肉は、鉄板の脇近くで焼いて下さい。
お野菜が煙を吸収し、和牛から飛び出す油が野菜に乗って野菜そのものまで香ばしくなります。
特にかぼちゃ等は肉汁を直接つけるとおいしくこんがり焼けます。
チョット焼きあがったお肉から出た肉汁を塗ってみて下さい。
「お肉だけ」「野菜だけ」で焼くよりおいしく焼けます。
お肉のみ網中心にいっぱいに乗せると煙があがるだけです。
『煙たい店です』とネットに書き込みする事になってしまいます(笑)。
お肉は網の縁で焼くと煙がかなり少なくなります、お肉から出る燻煙効果で、魚や手羽先も、
より美味しいものになります。
いろりでの場合、燻煙効果がとても重要な役割をします。
そのため無煙措置をとっておりません。
囲炉裏ですのでどうしても煙は出ます、煙のない囲炉裏はありません。
お肉を焼く場合、鉄板の脇どころで一気に焼かないで、少しづつ焼いて下さいね。
 
      🟣3月の牡蠣
3月、そろそろ牡蠣も終わりの時期にはいりました。
ご存知ですか、牡蠣の美味しい時期が3月だって事。
「牡蠣はこの冬、さんざん食べたから、もういいや」
いえいえ、3月の牡蠣は身がやっと熟してきて、本当の味がやっと出てきた時期なのです。
海が暖かくなり始めた頃、卵を持つため牡蠣は栄養をつけ身がこえてきます。
メロンとかの果物が、明日腐る寸前が一番おいしいように、
牛肉は少し時間をかけて熟成したものがおいしいように、
ワインや日本酒が抜栓され空気と遊んだあとのように、
牡蠣も海が暖かくなりかけた頃、やっと美味しくなったのです。
12月 出始めの牡蠣も先物として魅力的ですが、海のミルクと言えるのは3月の牡蠣なのです。
⚪️ちなみに牡蠣の美味しい時期は産地により、その年によって多少違います。
 北海道は11月頃です、3月の牡蠣のお話は本州の牡蠣のお話です
          
      🟡日本酒の辛口のお話
若い頃は辛口と表するお酒が美味しいと思い込んでいて、好んで飲んでました。
たまに料亭や料理旅館の女将さんや料理長さんとお話する機会があると
「うちは辛口のお酒は置いてないからね」とよくいわれましたが、
店を始める前迄は、その意味が全く理解できませんでした。
戦後、辛口と表する酒にこだわる習慣があって、なかなか旨口の酒が世に出にくくなっていた時代がありましたが、
最近は辛口の酒に執着する人もほとんどいなくなり、自分自身の求める方向のお酒えを選ぶ方が増えてきた様に
思います。
もともと日本酒に辛いもの自体なく、酸味の強いものをわかりやすく辛口と称していただけなのです。
戦後から近年迄の辛口への絶対的こだわりには、ある日本酒有名メーカーのコマーシャルに影響を受けている
ご年配の人が多いといわれています。
若い頃、飲み放題で飲んだ、糖分を添加した安物のお酒の味が、トラウマになってしまっている場合もあるようです。
もともとお酒自体には、ほんのり甘さと吟醸香があり、美味しい米は、かめばかむほど、
旨みに甘さを感じる事が出来ることを考えれば、辛口自体、おかしな話なのです。
戦時中、いいお米が出来ず、お酒を作れる杜氏さんも戦争でいなくなり、酒造りの環境もこわされ、
甘味のある美味しいお酒が作れなくなった時、むりやり糖分を添加し、美味しくないお酒をつくっていた事が原因と
聞いた事もあります
  
 ⚪️人気のあるお酒には4つのタイプがあると思います
   1,有名になっているお酒
   2,少量生産で希少価値なるお酒
   3,購入経路が難しく入手困難、プレミアの付いているお酒
   4,吟醸香と味の追求、作り手の意志が込められたこだわりのお酒
もちろん、この全部をもっているお酒もあります。
でも、一番大切なのは 4でしょう。
流行に流されてのお酒選びだけは避けたいものです。
酒蔵は現在1500以上あると言われそれぞれ20種類以上作っていたとしても、3万種ある事になります
毎日新しいお酒が生まれ、入れ替わっています。
辛口にこだわる事が悪い事と言っているのではありません。
いろんなお酒と出会い、自分自身の味を探し、お酒にたいして、独自の個性を持っていたいものです
            
​            ※お料理には適度な甘みと柔らかな吟醸香のするお酒 
    スルメやピーナッツなどの乾き物には淡麗でスッキリしたお酒が合う様に思います

       🟢常連さんと店のお話
「あなたはいつも来てくれる人を常連さんだと思ってませんか?」
ある飲食店向け冊子の見出しにこんな事が書いてありました
店を始めて間もない、お客さんも少なく、閑散としていた頃、
年配のお客さんからにいろいろ教えてもらうことがありました
「いつかこの店にも、常連さんがついてくれるよ、常連さんはね店を大切にし、気遣って座っている。店が混んで
いっぱいになった時、気をきかして帰ったりして席を譲ってくれたりする、それが常連さんなんだよ。
大切な店がつぶれてなくなると、心の拠り所がなくなってしまうからね。
だから、空いている時にはその分お返ししなくちゃだめだよ」
そんな事を言っておられました。
冊子には、おそらく「常連さんとは何回きてくれたとか、
たくさんお金を使ってくれる人をいうのではありません」と言う事が書いてあったのでしょう。
結婚記念日やお誕生日、出張の時にはかならず顔を出して頂ける、その店を大切に思ってくれている
店主もいつも思い出し、常に気にかけずにはいられない、
そんな人がきっと、
常連さんなんでしょう。
 
店を開く前、雑誌社に勤める友人との酒の席で、
どんな店がいい店と呼べるのか、ちょっとした議論になった事がありました。
彼が言う事には、「外食はハッと感じる事が大切で、美味しい、まずいはそれほど関係ない」
と言うのです。
「印象に残るもの、非日常的なものがそこにあるからこそ意味があって、
今までに経験したことのないもの、その人にどんな思い出を残せるか、それが外食じゃないのかな」
そんな様な事を言っていた様に記憶しています
当時、開店を間近に控え、美味さを追求する事が一番大切と思っていた自分には、
とんでもない考え方でした。
 
何年も前にいらした方が、ひょっこり寄って頂けた日には、
『このお方の思い出に残っていたのかな?』ちょっと嬉しい気持ちにさせて頂けます
今では、外食は、思い出づくりの為にある様に思えるようになりました。
自分も思い出に残るお店に出会い、たくさんのお店の常連さんでありたい、
そう思って店に立っております。
        
       🟠看板のない店のお話
以前は、誰も知らない、自分だけの、変わった店を探していた気がします。
近年は情報が飛び交っていて、誰もが知ってる有名な店を、ほとんどの人が求めている様に思えます。
外見は一見何屋さんか分からない、寿司?天麩羅?中華なのか和食なのか?
能舞台があったり、壁一面の水槽に物凄い数の錦鯉が泳いでいて、その様が、壁が動く模様にみえるバー。
寺の中にあって、ガラス越しにライトアップされた一本の大杉を眺めながら、朝まで過ごせるレストラン。
普通の民家を木戸を開けて入って行くと、小高い丘の上に営業している
小さなタコ焼き屋さんも、八事杁中にありました。
なにかを訴えてくる個性の固まりの様な店には、看板らしき物はいずれの店も見当たらない、
誰も知らない、取って置きの隠れ家。
そんなお店はほとんど無くなってしまったけれど、
1995年、そんな店を残せれればと、池下にいろりの店、紅を始めました。
最近の店は面白い店より無難な店造りが行われていて、誰も知らない店より、みんなが知っている
有名店、それが素晴らしいお店として評価され、受け入れられるている様に思えます。
店に入ると行き届かない点や不快な事がいくつかあるのですが、又、それも自然に受け入れる事が出来、
個性的な空間が、看板のない店として、幾つものお店がなりたっていた気がします。
今は、全てのクレームを改善しすぎて、個性がなくなっているように思えてなりません。
一般大衆受けする構成の、無難な店作りはいつも満席。
こだわればこだわるほどマニアックな店づくりに、お客さんは少なくなってしまう。
昔は、お客さんが店主を育て、育った店主がお客さんを育てる、そんな関係が店を育て、
時代を超えて永く続く『老舗』と呼ばれる店がつくられていったようです。
「へ~こんな店知ってるんだ~」店の玄関で驚かせ、中に入って感動させ、食事に入る。
大切な人と店を出た後、いつまでも印象づけさせる、とっておきの隠れ家。
何年も前に行った店なのに不思議と昨日の事のように、いつまでも思い出に残っている。
最近はどこにでもある、似たようなお店ばかり増えてしまって、外食もちょっと残念な時代なのかもしれません。
『有名は無名には勝てない』大正から昭和にかけて活躍した陶芸家、河井寛次郎の言葉です。
無名であれば柵に縛られる事は無い、思いのままがそこにある。
そういえば、最近、拘っている店が少なくなってしまいました、そんな寂しさが残ります。
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